12月3日 (日)  水曜日の朝、午前三時

お客様から頂いた本です。
今日、読み終えて只今干渉に浸っているので読書感想文を書いてみます。

主人公の女性は40歳半ばで脳腫瘍の為に人生を終えようとしている。
娘に宛てた遺書ならぬ今までの自分の人生をテープに吹き込んでいた。
時代は67年、主人公の女性は容姿端麗で頭も良い非の打ち所の無い女性。
ただ、彼女には祖父がA戦犯である事を足枷とし、少し廻りとは一線を引いた所があった。
彼女にはいいなずけが居たが、自分から愛した人では無く、このまま人生を決めたくない一身で両親の反対を押しのけ、大阪万博のコンパニオンになる。
全国から集められた美女達の中でも彼女は1.2.を競う女性であった。同時期に派遣で来ていた秀才でハンサムな男と恋に落ちるのだけれど…。
彼は常に皆の注目を浴びる素敵な男性。プライドの高い主人公が、自分が廻りと同様に彼にアプローチ出来るわけが無く、そのあたりのやり取りが、女性そのもので面白い。
フィアンセに別れを告げ、改めて彼との幸せな日々を過ごす中、万博のコンパニオン仲間の女性から忠告を受ける。
「彼の正体をしっている?彼は在日の北朝鮮人なのよ」彼女はショックを受ける。
この後にも彼と会う約束をしていたのに、今は、どうやって今日の約束を破ろうか、逃げようか…と考えている自分。
自分は、彼の何を愛したのだろうか?
容姿?学歴?あんなに好きで好きで仕方ないはずの彼から逃げる様に彼女は姿をくらます。

彼は、子供の頃からそうだった。
在日だと言うことで、差別を受け在日である事を隠し何年もこの日本で生き延びていた。

月日は流れ、彼女は両親の薦める男性と結婚するが、まだ心に残る彼の事。
自分が戦犯者の孫で差別されない様にしていたのに、その自分が差別をする恐怖。

彼に、思い切って行き、まだ彼を愛している事を実感する。
また一年後に会う約束をするも…。

もし、興味があるのであれば結末まで書かないでおきます。
水曜日の朝、午前三時という題名が心に何かを残しました。この何十年も前の話だけど、未だに解決出来ない問題。
肌の色も同じだから言わなきゃ分からないし、でも誰にも少しはある差別という心。
考えさせられる一冊になりました。